第4話 すがた

尾黒 優(と言っても良いのか分からないぐらい変わってしまった)

は頭を抱えた。

頭についている謎の物体のせいでうまく抱えられないが。

まあ、もふもふで触り心地がいいから良しとしよう。


『・・・とか思ってる場合じゃないッ!!!

なにこれ!?頭が追いつかん!!

ここどこ! わたしだれ! コスプレなんぞしてる場合じゃ!

みんなどこっ!!!???』

完全に情報処理が追いつかない。 自分の置かれている状況が

整理できない。

「もうイヤだ〜ッ!!帰りた〜いッ!」


「もうっ!騒がしいじゃない!」


・・・えっ?

いきなりの衝撃。 [何か]が水面を叩き割り飛び出してきた。

その姿は美しく、鮮やかで、芸術としか言い表せない。

殺風景のこの平野を[何か]が水飛沫みずしぶきで塗り替えてしまったのだから。

大胆な格好の[何か]は、腰を抜かしビクビク怯える私にこう言った。


  『あなた、珍しい[フレンズ]ね。』

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