第3話 てんせい
薄れゆく意識の中、
家族、友人との思い出が飛び交う。
私、もう人生終わり・・・なんだ。
・・・トラックにはねられて終わりとか、ダサすぎ。
みんなが何か叫んでるみたいだけど・・・聞こえない。
あの子は守れたのかなぁ・・・振り向けないけど。
・・・やっぱり怖いよ・・・!助けて!
その時だった。
『──スケテ!───ハユメ!───ネガイ・・・ヲ』
・・・えっ?
私の意識はそこで途絶えた。
気がつけば、私は太陽の光に照らされていた。
どこまでも広がる、大地の上で。
・・・私、助かったの?
でも変だ。体が全く痛くない。
やけに服の風通しが良い。 気になって自分の服を見る。
袖なしの服に、オレンジ色のミニスカート。首にセーター?リストバンドまで。
何かおかしい! なぜか頭もちょっと重いような?
「・・・喉乾いた。」
そう呟いて、近くにあった池に顔を寄せる。
『・・・ええっ!?』
優は思わず叫んでしまった。
池の水が信じられないぐらいに濁っていたから・・・ではない。
水面に映る自分の姿。それが・・・
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