第2話 せまる[きき]

・・・あんな動物、近くに生息しているのだろうか?

ゆうの頭に疑問が浮かぶ。

猫?犬? とにかく、あんな動物は見たことがない。

それだけが確かだった。

他の友達も皆、口を揃えて「知らない」というだけ。



しかし何より、かわいい・・・!

皆、その愛くるしい姿に見とれていた。


・・・が。その視界に絶望的な物が映る。


まっすぐにトラックが猛スピードでこちらへ。

いち早く気づいたのは

・・・優だった。

「危ないよっ!!逃げて!!!」

もちろん、そんな言葉は届かない。

みるみるうちに接近するトラックにその動物は、気づきもしない。

『もう、ダメだ。』

諦めていた空気に包まれた・・・その時だった。

その空気を切り裂く一人の声。


「絶対に・・・!守ッ──」


ドスッという鈍い音が、辺りに響く。



・・・痛ッ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る