第8話 騎士団長発動編
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騎士「なぜだ! なぜ俺はこいつに勝てない! ちくしょおおと!!」
騎士団長「もう爆発物の中を駆け抜けたりペヤングパクチー味食べるのやだよぉ……」
騎士「コメント来てますけど、『女騎士と旅シリーズと比べて全てがグレードダウンした感じ』と言われてますね……」
騎士団長「女騎士から巨乳女騎士団長になってる時点でグレードアップしまくりだろぉ……!」
騎士「そんなこと言ってるからグレードダウンだと言われるんですよあんたは」
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女騎士「捕らわれて早数ヶ月……だが私は誇りを捨てず、諦めることもしない! 絶対に自由になってみせる!」
山賊「くっくっく、相変わらず威勢のいいお嬢さんだ……だが桃○で負けた罰ゲームとしてゴミ捨てにいってもらうぞ、キングボン○ー持ちの女騎士さん?」
女騎士「く、私は! 絶対に諦めない!」
山賊「だからそういうことは諦めなさい」
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女騎士「おのれ……この私をどうするつもりだ!」
薄暗い部屋の中で、鎧の女は叫ぶ。流れるような金髪、色素の薄い肌。平素ならば凛々しさと勇敢に満ち溢れたその表情には、今は恐怖と動揺が浮かぶ。
彼女は今、拘束されていた。自由を奪われ、目の前の男に生殺与奪を握られている。
女騎士「答えろ!」
山賊「くっくっく、元気なお嬢さんだな……これは躾がいがありそうだ……」
彼女の自由を奪った男は、黒々とした髭を生やしていた。樽のような体型。目には残虐と嘲笑がある。
女騎士「どのような理不尽に会おうとも、私は屈さない!」
誇り高き女騎士の、孤独な戦いが始まる。
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騎士「そりゃ動画じゃ女騎士は楽しそうに見えるが、でもここまで長期間外に出されても逃げ出さないってことは、見えないところで虐待をされて逃げる気を無くしているのかもしれない……俺達があいつを助けないと!」
騎士団長「そうだな、とにかくこの動画投稿者と早くコンタクトを取る方法を掴まねば……!」
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女騎士「はぁ、はぁ、まだ、やるのか……!」
女騎士「こんな……何回も……もう、耐えられない……!」
女騎士「こんなの、初めてだ……!」
山賊「くっくっく、おやおやもうダウンか……?
しかしまだまだやってもらうぞ……今日はこの切った竹を使って流しそうめんのコースを作るぞ!」
女騎士「わぁい!」
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騎士「新しい動画が投稿されてる……またすごい再生回数だ……」
騎士「た、竹を何十にも組み合わせてスプラッシュマウ○テンみたいなコースを作るとは……! そうめんが流れてくるまで五分もかかるのか……!」
騎士団長「女騎士楽しそう……」
騎士「くそぉ……! なぜだ! なぜやつに勝てない!」
騎士団長「き、騎士……だ、大丈夫か……?」
騎士「予算もかけた! 企画も練った! なぜだ! なぜなんだぁ!!!」
騎士団長「い、嫌がらせで動画のコメント欄に『かわいい女騎士さんに僕の股間のソーメンもツルッと飲んでもらいたいでしゅう!』って書き込んでくりゅ!」
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山賊「……はい削除してブロックっと」
女騎士「おい山賊なにやってる?」
山賊「なんでもない。今夜は寿司屋いくぞ。回らないやつな」
女騎士「やったぁ!」
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騎士「おい……なにやってんだよ……? また通報でアカウント停止させられたじゃねぇか……」
騎士団長「ごめん……でももう動画投稿で誘拐犯と張り合うのは無理だよ。別の方向でいこう……」
騎士「せっかく予算取ってやってきた今までの努力水の泡じゃないですか!」
騎士団長「でもカニはおいしかったよ!」
騎士「あれ中身カニじゃなくてカニカマだからな」
騎士団長「」
騎士団長「え、カニ、カマ?」
騎士「うんカニカマ」
騎士団長「え、あれだよねカニカマの原料ってカニだよね?」
騎士「カニのエキスとかはいってるけど主成分は魚ですよかまぼこなんですから」
騎士団長「え、なんで、じゃあなんで私爆発物の中を走ったり危ないことしたの!? なんのために激辛ペヤングとか水着でコロッケとか揚げたの!? なんで本物のカニじゃないのねぇなんでなの答えてよ!!」
騎士「ああ!! うるっさいなぁもう!!」
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騎士団長「本物のカニおいしい」ムシャムシャ
騎士「結局カニ奢らされた……世の中狂ってるなあ」
騎士団長「私が一番体を張ったんだから当たり前だよ」ムシャムシャ
騎士団長「それよりこれからだよ騎士。方向性を変えよう。まずは動画が取られた先で女騎士と一緒にいた人物の情報を集める。できるだけ精密なね」
騎士「あ、はい……」
騎士団長「それから日本地図を用意してくれ。動画が取られた場所をマッピングしてみよう。撮影日時が離れている所と短い所を考慮して中心点を結べば、誘拐犯がどこを拠点にしているか大方割り出せるかもしれない」
騎士「え、あ」
騎士団長「あとは誘拐犯とのコンタクトの取り方……これは私に一つ案があるからちょっと協力してくれ」
騎士「……」
騎士「か、カニ食ったら団長の頭が冴えてる……?」
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