第7話 女騎士苦難編
△ △ △
女騎士「く、なんだその針の塊は! それで私を拷問するつもりか!」
山賊「くっくっく、そういう使い方もあるかもなあ……だがこれは殻からむき立てじゃないと味が落ちてしまうんだよ……
ほら、新鮮なウニだぞ……!」
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女騎士「おのれ……この私をどうするつもりだ!」
薄暗い部屋の中で、鎧の女は叫ぶ。流れるような金髪、色素の薄い肌。平素ならば凛々しさと勇敢に満ち溢れたその表情には、今は恐怖と動揺が浮かぶ。
彼女は今、拘束されていた。自由を奪われ、目の前の男に生殺与奪を握られている。
女騎士「答えろ!」
山賊「くっくっく、元気なお嬢さんだな……これは躾がいがありそうた……」
彼女の自由を奪った男は、黒々とした髭を生やしていた。樽のような体型。目には残虐と嘲笑がある。
女騎士「どのような理不尽に会おうとも、私は屈さない!」
誇り高き女騎士の、孤独な戦いが始まる。
▲ ▲ ▲
騎士「なんとか上とかけあって、動画を作る予算をもらいました。これでもう少しマシな動画をつくりましょう団長」
騎士団長「やったぁ! カニ食べにいこう!」
騎士「ダメだよ。今爆発物が取り扱える人間と連絡取ってますんでちょっと待っててください」
騎士団長「ええ、なにやるのぉ……?」
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女騎士「山賊よ……なぜお前はそこまで食べ物にこだわるんだ……? たしかに味がいい方が良いだろうが、そこまでやっきになる理由は?」
山賊「くっくっく、たしかに端からみたらなぜそこまでと思うかもなぁ……
人間が八十まで生きるとして、自分で好きなように食事を選択できるのが二十歳から、体力の衰えや病状で制限されるのを七十歳からとすると、
本当に好きに食事をできる期間は五十年ある」
女騎士「……」
山賊「だが1日三食全てを自由に食べられるわけではない。スケジュールによっては簡素な物になることもある。せいぜい1日一回だけは食事を真に食べたいものを選択できるとして、五十年×365日……18250回だ」
女騎士「暗算速い……!」
山賊「それが人生で満足した食事ができるほぼ標準的最大回数として、お前はそれを効果的に使っているか? 無為に過ごしてはいないか? どんなものにも回数はある。お前はそれを意識しているのか?」
女騎士「ごめん、あんまり数が多い話はよくわからないんだ……」
山賊「……あー、うん、まあ美味しくご飯を食べられる機会は限られてるから、できるだけ良い物を楽しんで食べようねって話だよ」
女騎士「それならわかるぞ! 三食カロリーメイトはキツいもんな!」
山賊「この娘、普段どんな生活してたんだろ……」
▲ ▲ ▲
騎士団長「うう、動画作るから予算削減されてとうとう夜食が小麦粉水で溶いて焼いたやつになっちゃったよぉ……」
騎士「砂糖かけて食えばなんとか食えますよこれ……」
▲ ▲ ▲
騎士団長「ねぇ……新しい動画撮るって聞いたけどなんで私この年で体操着着させられてるの……? しかもワンサイズ小さい……」ムチムチ
騎士「いやすこしでも視聴者の目を引かないといけないのでなりふりかまってられないんですよ」
騎士団長「他にこういうの引き受けてくる人いなかったのぉ……?」
騎士「他の団員にも聞いてみたんですけど、ヨゴレ芸人はやだって」
騎士団長「く! 部下を助けるためなら喜んでカニも食うしヨゴレ芸人にもなろう!」
騎士「いやだからカニ食いたいだけだろアンタ……えーと、今日はカニ競争ということで合図したら団長はここからダッシュして、向こうに吊してあるカニをキャッチしてください」
騎士団長「やったあ! カニ食べれる!」
騎士「団長が走ると同時に後ろが次々と爆発します。強めの火薬使ってるので危ないから全力でダッシュしてください。本当にかなり危ないです」(よし予算削減のためにカニの殻にカニカマ詰めたニセモノとは気づいてないな……)
騎士団長「昔の東映みたいな火薬の使い方やめようよぉ……」
騎士「では撮影始めます」
▲ ▲ ▲
騎士「おお! 予算かけただけあって再生数延びてますね! これならやつに勝てる!」
騎士団長「カニおいしい」ムシャムシャ
騎士「さぁてこれならやつの新作にも追いつけ」
巨乳女騎士団長、カニ食い競争危機一発! 再生回数1485回
女騎士と旅シリーズ 突入名古屋飯編1、女騎士悶絶手羽先ダブルピース! 英語・中国語字幕付き 再生回数2547813回
騎士「俺たちの努力はゴミだ……!」
騎士団長「カニおいしい」ムシャムシャ
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