実態
「はい、こちらですよ。」
老人の乗った車いすを、大きな扉の前に運ぶ白衣を着た女性。
扉の上には、処置室と書かれている。
白衣を着た女性は、扉の横にある認証装置に顔を近づける。
ピピッという機械音と共に、扉が横に開いた。
その扉の奥に2人は入っていく。そして、数時間後、台車に荷物を乗せた白衣の女性だけがその扉から出てきた。
「最近、多いわね。」
そう呟きながら、白衣を着た女性は、台車を押しながらエレベーターに乗り込んだ。
そのエレベーターは、4階で止まり、扉が開く。
白衣を着た女性が明かりの照らされた通路を台車を押しながら歩いていく。
通路の両脇には扉が並んでおり、その扉には番号が書かれてある。
白衣を着た女性は、台車につけられた番号の扉の前で止まり、再び認証装置に顔を近づける。
処置室と同じように、ピピッという機械音と共に、扉がスライドする。
「ここも一杯ね。」
部屋の中には、台車の上に載っている荷物と同じものがずらりと並んでいる。
荷物にはいくつかのコネクターがつながっていた。
白衣を着た女性は、そこの空いている場所に、荷物を置き、同じようにコネクターを接続する。
そして、その荷物に三鹿野と書いたシールを張り付けた。
「それでは、ごゆっくり。」
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