面会

「おぉ、元気にしておったか!」

モニターの向こうで、老人が嬉しそうな表情を浮かべている。

そのモニターには、大きな公園のベンチに座る小さな子供と、老人の姿が映っていた。

「元気にしてたよ。おじいちゃんは?」

「わしゃぁ元気じゃぞ。ここに来てからは、体の調子もよくてな。」

老人がベンチから立ち上がり、大きく伸びをする。

「また今度、一緒に遊ぼうね!」

「おぉおぉ、また今度な。」

モニターの横には、ヘッドマウントディスプレイを付けた小さな子供が、リモコンを手にはしゃいでいる。

このグループホームでは、面会は全てVR空間で行われる。

家族としても、遠距離に通う必要が無く、負担の軽減になる。

VR空間の様子は、グループホームから貸与されたモニターで、外部からも見えるようになっていた。

しかし、そのモニターを見る白髪交じりの男性と女性の表情は曇っていた。

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