幸せの国

めび

入所

様々な逸話のある、有名な老人ホームがある。

名前は、「幸せの国」ここに入所した人達の満足度は100%、家族からの評判も上々だ。

元々は大きなマンションだったところを改装し、介護サービスを行っている。

そして、今日、また新たに入所する人が家族とともにやって来た。

「おじいちゃん、ここが今日からお世話になる所ですよ。」

白髪交じりの女性と、同じく白髪交じりの男性が、反応の薄い老人が乗った車いすを押して玄関に入る。

「綺麗なところですね、お父さん。」

男性が声をかけるが、老人は答えない。

「お待ちしておりました。」

白衣を着た女性が、3人に声をかける。その声に応えるかのように白髪交じりの女性と男性が頭を下げる。

「三鹿野様、でしたね?」

「はい。」

白衣を着た女性の問いかけに、白髪交じりの女性が答える。

「では、手続きをしますので、こちらへ。」

白衣を着た女性は、そう言って事務室に白髪の女性と男性を案内する。

「三鹿野さん、お部屋に案内しますね。」

いつの間にか来ていた他の白衣を着た女性に、老人の車いすを押して奥に消えていった。

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