第17話 退寮
あたしはまたやってしまった。朝の掃除に寝坊だ。このところひたすら眠っていたから、今日こそは、と思ったにも関わらず。
恐る恐る食堂へ行く午前9時。
「寮費も貰っていませんしね、申し訳ありませんがあなたはここの寮での生活に向いていません。すぐに荷物をまとめて出て行ってください」
――だと思った。
受給者なんて、寮長さんから見たら、都合のいい金づるなんだ。取りっぱぐれることもなく、勝手に掃除や料理もしてくれる、都合のいい金づるのうちのひとり、それがあたしだったんだ。
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