20冊目☆☆★ クレア・デラクロワ著「汚れなき薔薇」

 勝手にレーティング:R18


 中世フランス。薬師のヒロインの元に傷を負った騎士が運び込まれる。ふたりは一目で惹かれあったものの、運命のいたずらで何度も離れては巡り合う——そんな話。


 以下ネタバレあり。





 これまでに読んだ19冊の海外ロマンス小説はヒロインがピンチに陥るものの大抵ギリギリのところで助けが入るものしかなかったので、普段は鬱展開どんとこいの私も心の準備がまったくできていなかったというか。

 まずヒロインが容赦なく強姦されて「うっ…!」ってなったのに加え、逃げ出した先で彼女を探しに来た兄が目の前で殺されるという二段構えの悲劇に思わず涙が溢れました。妹想いの優しいお兄さんだったのに酷い!

 けど、そのあと偶然ヒーローに助けられて一緒に逃げる道中で、あの悲劇から数日しか経ってないのにヒーローといちゃいちゃしはじめるのは解せぬ!もうちょっと兄の死を悼んで喪に服すべきではないのか!

 あと仇を討ってからの尺が長い。無駄に長い。このシーン省いても良くない?って思ってしまうくらい。無事に逃げ切れたらリアリティがないなんて考えて特に必然性のないシーンに文字数割いちゃってない?ってツッコミを入れたくなる程度には退屈なシーンが続いてエピローグも長い!

 というわけで、内容は独創的だけど構成がどうにも微妙でもったいない印象が残った作品でした。

 

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