第236話 遥名ちゃんの想い
「ねぇ……パパぁ」
「ん? なんだぁ? どしたぁ?」
ちょうどママがお迎えに来た所で、宴会はお開きに。
アル姉は
残りの三人は何かコソコソ相談してたみたいだけど、なんだかいつの間にか手を取り合って『
「ん~? ちょっと聞きたい事があってさぁ」
「ん? なんだぁ。高橋さん家で何かあったかぁ?」
うーん。『何かあったか?』って聞かれると、『アリもアリ』『アリの
じゃないと、次から呼んでもらえなくなっちゃうしね。
だから、細かくは話せないんだけど、自分の事なら良いよね。
「ねぇ、パパぁ。私、
「あぁ? どした?
「うぅん。小さい頃から、いつもそう言われてたから、ちょっと
パパは
ママはあんまり運転が得意じゃ無いし、今日はちょっと雪が降ってるから真剣な顔で前向いてるわね。
ママ、聞いてても良いけど、今は運転に集中してね。
「そうだなぁ。
「ふぅ~ん」
「なんだぁ? 慶太くんは嫌いか? パパは結構おススメだぞぉ。顔も結構カッコ良いし、東京の大学に通ってるんだろぉ? 子供の頃から礼儀正しいし、挨拶も欠かさない。意外と
うんうん。パパはそう言うと思ったよ。パパは昔から
「それに……って言っちゃあ何だけど、お
「知ってるよぉ。佐伯さん家のお
パパが町長選挙に出馬した時も、かなりの寄付をしてくれてたらしいよねぇ。私知ってるんだぁ。
「ねぇパパぁ。それって、政略結婚ってヤツゥ?」
「えっ? ……うーん。そう言う訳じゃあ無いんだよなぁ。だいたい、
「でもなぁ。資産家って言うのは本当だから、まぁ、結構幸せになれるんじゃ無いかなぁ? とは思うな。
「くすくすっ……」
あらあら、ママも聞いてたのかな? 運転しながら笑ってる。
そっかぁ。パパとしては、一応、私の幸せを思ってくれてたんだねぇ。うん。まぁ、そう言う事ならねぇ。
「うん、わかった。それじゃあさぁ……一つお願いしても良い? 私ね。英会話の勉強がしたいの。英会話教室に通っても良い?」
「おっ、珍しいなぁ。お前から洋服以外のおねだりなんて、初めてじゃ無いかぁ?」
「ん、もぉ、パパァ、混ぜっ返さないでよぉ」
パパったら結構飲んで来たみたいだから、『おねだり』チャンスよ。
「あぁ、ごめんごめん。にしても、今行ってる塾じゃ駄目なのか?」
「あぁ、うん。受験用のヤツじゃ無くて、普通の英会話が出来る様になりたいの」
「へぇ、そうか。いや、別に構わんよ。と言うか、ダニエラさんにお願いした方が良いんじゃないのか? あの人、英語ペラペラだぞ?」
「あぁ、うーんとぉ、えぇぇっとぉ……ちゃんと勉強してぇ、ダニエラさんをビックリさせたいと思ってさぁ」
くっ、飲んでる割には、パパったら鋭いわね。確かにダニエラさんは私の家庭教師なんだけど、こればっかりは、ダニーに頼む訳には行かないの。
何しろ、これから
そう、これまで通り、英語はちょっと苦手……な感じを装いつつ、しっかり
そうでないと、あれだけの人達を出し抜く事なんて出来ないものね。
「そぉかぁ。それじゃぁ良いぞぉ。好きな所を選びなさい」
「わぁ、パパァ、ありがとぉ!」
――チュ!
「でへへへへ」
飲んでる時のパパはチョロいわね。うふふふ。
さてさて、そうと決まれば、急いで対策を練らないと駄目ね。
まぁ、ダニエラさんはちょっとお姉さんだから、大丈夫でしょ。
美紗ちゃんは、あの幼児体形でしょ。これは論外ね。
問題はリーちゃんだけど、あそこまで天然だとちょっと
そして、最大の切り札は
この話は、毎回飲み会の席で、ウチのパパから、
既に、内々では合意が取れているのよ。
後は、私が成人すれば、晴れて『
あの三人には悪いけど、親が決めた
「さぁ、私、頑張るわよっ!」
「おいおい、気合入ってるなぁ。今日は高橋さん所でごはん食べて来て、正解だったな。はははは」
正解も正解。大正解よ。
『敵を知り、己を知れば、百戦危うからず』
間違いなく私が、
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