第12話 青い鳥は、やがて・・・

「小原正一さん・・・ですね?」

「はい、そうです」

「初めまして・・・で、いいんですよね?小原くん」

「ええ、それでいいと思います」

差し出された手を握る。


顔を合わせるのは、初めてなので、これでいいだろう。


「実は、あなたを特別招待したのは、理由がありまして・・・」

「はい」

「今日、壇上に上がったもらいます」


15秒経過


「壇上にですか?」

固まってしまった・・・

「はい」

「なぜですか?」

「あなたが、私に送ってくれているイラストを紹介させていただきます」


15秒経過


「でも、あれは他に人に見せれる物では・・・」

「いいえ、あなたは有名人です・・・って、敬語はらしくないね。君もタメ言葉でいいよ」

「わかった。啓子さん」

「うん」


打ち解けてしまった。


そして、イベントが開始し、壇上に上げられた。

スクリーンにイラストが公開され、啓子さんから紹介される。


会場からは、われんばかりの拍手・・・


なんなんだ?一体・・・


イベントが終わって帰路についたが、記憶が途切れてしまっている。

わからない・・・世の中は・・・


「お帰り、正ちゃん」

「お姉さん、お帰り」


「お姉さん、まさかと思うけど、僕の運命の人は・・・」

「違うよ。もしそうなら、私はもう、帰るから・・・」

「えっ?」

「私がここにいるのは、違うってこと・・・」

正直、ホッとした。


「で、その人はどこのだれなんですか?」

「エヘヘ」

エヘヘじゃないです、お姉さん・・・


「知りたい?それとも、私と一緒にいたい?」

お姉さんは、酷な質問をする・・・

でも、答えは決まったいた。


「お姉さんとの、時間を取り戻す」

「ありがとう。そう言ってくれると信じてたよ」


お姉さんは、スマホを取りだした。

「あの世にも、スマホがあるんですね」

「ううん、これは霊界通信機、神様とお話するためのもの」

「そうなんだ」


お姉さんは、何やら話をしている。

でも、わからない・・・


「正ちゃん、神様からの伝言」

「僕にですか?」

「うん」

その伝言に、俺は度肝を抜かれた。


【青い鳥は、やがて向こうから舞い込む】


要するに、こちらからは動くなという事か・・・


それまでは、お姉さんと一緒。

シスコンなわけではないが、その青い鳥が迷い込むのは、少し先になる事を祈った。


願わくば・・・いや、よそう・・・

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いきなりシスター 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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