第8話 お姉さんの目的

疲れたのか、お姉さんは隣で寝ている。

緊張の糸が切れたのか・・・

初日の冷静さ?は、無くなってきている。


「これが、この人の素なのか・・・」

もし生まれていたら、どんな姉弟になっていたか・・・

考えると、少し恐ろしい・・・


多分、友達は多いが、彼氏は出来なかったと思う。

仮に出来ても、すぐに捨てられると思う。

(まあ、俺もそうだし・・・)


あの世とやらで、この世の仕組みは学んできたようだ。

でもそれは、概念だろう・・・

言わばバーチャル世界で、生活しているようなもの・・・


(リアルな事も教えておかないとな・・・)


お姉さんは、幸せそうだ・・・

でも、本当に両親には、会わせないほうがいいだろう・・・


姉が欲しかった俺は、その願いが叶った。

でも、このお姉さんはもう、存在していない。

いつごろまで、一緒にいられるだろう・・・


厄介払いではなく、疑問として・・・


「正ちゃんに、お嫁さんが来るまでだよ」

「お姉さん?」

突然の声に驚いた。


「正ちゃんは、もうすぐお嫁さんをもらうの」

「いつ?」

「それは言えないし、なれそめも言えない。

でも、その時のために、共同生活を経験させたくて・・・」

「どうも・・・」

おせっかいだな・・・


「で、あの世には、神・・・がいるんでしょ?」

「うん、でも私の神様は少し違うよ」

「もしかして、水子が行くと言う・・・」

「うん。似たよなものね」

調べておこう。


「で、僕の相手は、どんな人?」

「正ちゃんも、知っている人で、向こうも知っている。

でも、まだお会いした事はないわ・・・でも、いい人だからね」


もしかして、ネットでやりとりしている人か?

それとも、有名人か?


理解しがたいが、出会うのを待つとしよう。


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