第7話 郷にいっては
「郷にいっては郷に従え」という。
あの世と、この世では、基準が違う。
それは、わかる。
でも、この世に来た以上、この世の風習に従ってほしい。
「お姉さん」
「何?正ちゃん」
ちゃん付けですか・・・
「この世に来た以上、この世の風習に従ってもらいます」
「お姉ちゃん、わからない」
たく、女ってのは・・・
「もちろん、僕も協力します。でも、この世に馴染まないと、大変です」
「どうして?」
「あの世とやらに、強制送還されますよ」
「やだ。まだここにいたい」
「なら、覚えて下さい」
「正ちゃん、もてないでしょ?」
余計なお世話だ・・・
だんだん、駄々っ子になってきている。
もしかしたら、これがこの人の、本性かもしれない・・・
「でも、どうしていきなり、この世の事をいいだすの?」
「外、行きたいんでしょ・」
お姉さんは、黙った頷く。
「なら、覚えて下さい。特に料理」
「女が作るって決まってない」
「あの料理は、男女以前の問題です。」
「どうして?」
「女としてではなく、人として上手く作れないと、生活出来ません」
「私、もう死んでる」
「この世にいる間は、生きていると同じです」
俺は、本を取りだした。
「正ちゃん、それは?」
「料理のレシピ本です。まずは、大人として、最低限は覚えて下さい」
「はーい」
さすがに、今日は会社を休もう。
そうでないと、何してがすか、わからない。
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