第6話 お姉さんの料理

「召し上がれ」

召し上がれと言われても・・・

これ何?


お姉さんは、ニコニコしてる。

そっか・・・死んでるから、食べなくても平気なんだ・・・

ていうか、食べる事が出来ない(と思う)

なので、味見はできない・・・


「あのう、お姉さん・・・」

「何?」

「これは、何を作られたので・・・」

「正ちゃんの、好きな物」

もう、ちゃんづけですか・・・


俺の好きな物・・・

何だろう・・・


とんかつ・・・唐揚げ・・・

いや、違う・・・

油を使った形跡はない・・・


カレー?

いや・・・それならスプーンが必要くらいは、わかるだろう・・・


ハンバーグ?

いや、違う・・・

色が違いすぎる・・・


なんなんだ?


「正一くん、また迷いだしたね」

いや、迷っているんではなく、必死に頭を働かせているんだが・・・


「ヒントね」

「はい」

「中華」

中華?

油料理が多い、あの中華?


わからん・・・


「じゃあ、答えね。ラーメン」

ラーメン、これがラーメン・・・


俺の頭が固くなったのか・・・


「お姉さん、これは、どうやって作られたので・・・」

お姉さんは、自慢気に話しだした。


「簡単にできるんだね。水を入れて5分まって、冷蔵庫の残り物入れておいた。」


教えた方がいいかもしれない。




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