第4話 真実

「死んだはずの姉が、来ました。休みます」

なんて言い訳は、社会人はもちろん、学生でも通用しない。


俺は、眠い目をこすりながら、出社した。


「一応、鍵かけときますね」

「うん」

「誰が来ても、出なくていいですよ。というか、出ないで下さい」

「出来ないよ」

「食事は・・・」

「私は死んでるから、食べなくても寝なくても平気だよ。」

「じゃあ、なるべく早く帰りますんで・・・」

「はーい。気をつけてね」


部屋の鍵をかけて、確認して階段を下りた。


すると、大家さんに出くわした。

この人に出くわすと長い・・・


「あら、正一くん、お仕事」

「はい、お早うございます」

「昨日は、お姉さんが来て驚いたわ・・・初耳だから」

「僕もです」


20分経過


「なら正一くん、お仕事がんばってね」

「どうも」


やばい、急ごう・・・


最寄駅に着いた。

いつものだと、間に合わない。


仕方ない。

なるべく無駄遣いはしたくなが、遅刻よりはました。

俺は、特急に乗るために、特急券を買った。


でも、同じ事を考える人は多いもので、混雑してる。


席に着く前に、親に確認しておこう。

俺は、デッキで自宅に電話した。


「もしもし」

「あっ、母さん、俺だけど・・・」

「あら、正一、どうしたの?こんな時間に」

「詳しい説明は、後、訊きたい事があって」

「何?」

「実は・・・」


俺は姉について訊いてみた。


「正一、あんた、何で知ってるの?」

電話の向こうで、青ざめたような声がした。





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