第2話 双子

「僕のお姉さん?」

「うん」


待てよ・・・俺に姉は、いないはずだ。

兄弟は弟がひとりだが、仲が悪い。


両親の隠し子?

それもないな。

両親は2人とも、とても真面目で、浮気なんてしない。


生き別れの可能性もない。


どちらかの連れ子?

いや、初婚のはずだ。

もし、連れ子なら、とっくに教えてくれているはずだ。


いとこ?

いや、確か女性のいとこはいなかった。


養女?

違う。

それなら、事前に教えてくれるはず。


それから・・・えーと、えーと、


「あっ、もしかして、姉というお名前ですか?」

俺は、その子に訊いてみた。

年上にその子は、失礼かもしれないが・・・


「違うわよ。本当の姉よ、Sister 」


もしかして、はるか昔に流行った、12人の妹が出来ると言う、あれの逆パターンか?


「違うわ。私は本当の君の姉。DNA検査してみる?」

やだ、面倒くさい。

でも、気になる。


「もう、きりがないから、教えてあげる」

「何を?」

「私が、君の姉の理由」

たく・・・面倒くさいな・・・

こっちは、疲れてるのに・・・


「何か言った?」

「いえ、何も・・・」

「なら、心して聞きなさい。いいわね。正一くん」

「なぜ、僕の名を・・・」

「お姉さんだもん。当然でしょ?」

確かにそうだが、納得がいかない。


「私と君とは、双子の姉弟です」

な・・・なんですと・・・





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