いきなりシスター

勝利だギューちゃん

第1話


「今日も、疲れた・・・」

自宅であるアパートに、へとへとになって帰ってくると、

もう日付が、代わるころだった。


社会人ともなると、やはり厳しい。

仕事で、間違っているとは教えてくれても、どこか間違っているかは教えてくれない。

もちろん、どうすればいいのかも、教えてくれない。


給料をもらってるんだから、当たり前なんだが・・・


しかしまあ、がんばっている自分が好きである。

なので、辛くはあるが、学生時代に戻りたいとは思わない。


俺は、アパートで独り暮らしをしている。

当然、家事も1人でこなさなくてはならない。


なるべく、自炊をするようにしているが、さすがに毎日は無理。


となると、食事はカップ麺かコンビニ弁当になる。

しかし、カップ麺は体によくないので、あまり食べないようにしている。


コンビニ弁当も体にいいとはいえないが、カップ麺よりはましだろう。


俺は几帳面だ。

戸締りの確認は、怠らない。


部屋のドアノブを確認する。

「うん、ちゃんと鍵かけたな・・・」


鍵穴に鍵を入れて、ドアを開ける。


「ただいま」

誰もいない、部屋に声をかける。

(ちなみに、ペットもいない)


「お帰り」

えっ

眼をこする。


そこには、ひとりの女の子がいた。

当然知らない女の子。


自慢になるが、俺は年齢=彼女がいない歴だ。

もしかして、部屋間違えたか?

いや、確かに俺の部屋だ。


なら、眼の前のこの子は、誰なんだ?

いや、待て。

よく思い出せ・・・


「聞いてた通りだね。君は迷うタイプだね?」

失礼な子だな・・・


「大丈夫、会うのは初めてよ。大家さんに頼んで、合いカギで入れてもらったの」

不法侵入か?

警察に電話しよう。


「待って。警察に電話するのはいいけど、話くらいきいてからにして・・・」

「じゃあ、お尋ねしますが・・・君はどこのどちらさまですか?」


その子は、一呼吸おいてから、ゆっくりと口を開いた。


「私は君の、お姉さんです」


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