4月4日(日) 広島市中区新天地にある立ち呑み店「スタンド ローキー」で飲んで食べる。

広島市中区新天地にある立ち呑み店「スタンド ローキー」で飲んで食べる。


もう一つ頭があったらはかどるだろうに、なんて思うほど思考停止した「スタンド ローキー」さんだった。タコのような複雑な進化よりも、自分だったらナマコのような単純な構造の生物に向かうだろう。中国醸造の一代弥山の山廃を燗で注文して、蒸しホタテで刺身のような感じを食べる。貝ひもがついているから何度も噛めて、量も二三個で終わるほどではない。冷酒の一杯よりも多い燗の量が自分にぴったりで、飲んではホタテを食べ、ただ噛んでばかりいた。すると眠気が頭を襲ってくるので、タコのように脳味噌がいくつかあれば目も開くのだろうが、ミルキーな酒の味に緊張はほどけてしまい、もうしかたないからうとうとしながら飲み食いしていた。するとホタテも終わりに近づいていたので、ローストビーフの切れ端も注文する。平たさよりも角としての肉厚を持っているので、これも噛みごたえがある。噛むの大好き。噛むと味が出る。顎の運動にも良い。血も巡って頭も良くなる。けれど眠くなる。立ち呑み店で眠られたらたまったもんじゃないだろう。けれどそれほど心身弛緩してしまう居心地良い雰囲気が「スタンド ローキー」さんにはある。


外に出れば雨も止んで風が気持ち良い。一吹きで体は回復して目が覚める。これこそ休息の一件だ。これでもう一つ頭があったら、きっとうるさくてしかたない。自意識は一個で十分な飲み食いだった。

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