2月24日(水) 広島市西区観音町にある酒店「全酒類販売 有限会社 ももや」で飲んで食べる。

広島市西区観音町にある酒店「全酒類販売 有限会社 ももや」で飲んで食べる。


休み明けはリラックスに、「全酒類販売 有限会社 ももや」さんでウィスキーを飲むのがよろしい。


最初に口にしたのはカリラ12年で、口当たりの良い甘さにピートはしっかり香るのだが、重たくなく、淡い色通りなめらかに推移する味はとても弱くない。何度も咀嚼するように口の中で唾と混ぜ合わせて体温に転がしていると、アルコールが揮発してかっと口に刺さりながら玄妙な味わいはコンマ単位で放散していく。


肉体労働の後には鶏の胸肉を合わせる。筋肉の為にわさび鶏を間に食べる。わさびはウィスキーを壊さない。


次に瓶の模様に惹かれてハイランドパーク12年を飲む。これはさきほどよりもやや重たさがあり、樽の味わいがくっとくると、ぐんと押しを強めていくぶん落ちる印象がある。それからまたふわっと戻るようで、アルコールの強い揮発と共に口は一気にからくなるようで、より男らしい味わいとなっている。


こうして「全酒類販売 有限会社 ももや」さんに来るのは、好きが第一にあり、次に味覚を広げるレッスンの意味合いがある。酒は一杯目に一番感覚に対して鮮度を持ち、蒸留酒となると酔いがすぐに神経を侵してしまい、慣れと合わさって多少ぼやけてしまう。


わりとピートの強さだけで判断していたが、今日はもう少し磯っぽい香りや、色による味の明度なんかも感じるようだった。最近飲んだメスカルもそうで、ほとんど知らないジンも同様だろうが、なんといっても蒸留酒の良さは、時が凝縮された一瞬の内に変化する夢見のような味わいと彩りだろう。


ウィスキーは詩情を持ち、どことなく退廃的な気分にもさせる。それでいながら酔いはシャープで足取りと頭は軽く、ワインや日本酒と違って酔うも覚めるも明敏になる。


そして30分もかからない滞在となり、蒸留酒は一人で飲むに適した酒だと、よたよたと自転車を走らせて帰る。

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