音楽、映画、美術、舞台、食事、文学、観光についての体験感想文集

１２月２８日（月） 広島市中区西十日市町にある食堂「ホームラン食堂」で落ち着く。

広島市中区西十日市町にある食堂「ホームラン食堂」で落ち着く。

メランコリーな時がある。それが仕事納めの日に来たらしい。こんな時はネガティブな発言が体調にのっかる。

一昨日から足を伸ばそうと思っていた「ホームラン食堂」さんに来た。平日の朝はとても行けず、休日の朝は何かしらしているので、夜に開いていると進んで店を訪れる機会ができる。

自分にとっての位置があり、食の美味しさも魅力の一つだが、ここでの時間は文学に近づける。それが自分本位の位置づけであっても、弱ったときは詩や音楽が身近に寄り添ってくれるように、きっとこの店が気分を落ち着けてくれる。今日の夜はそんな気がした。

カモミールミルクを注文したのは、精神の安定を求めてのことだろう。このような飲料を選ぶ自分が珍しい。そこにどのような意味でも持たすことはできるが、レモングラスのような香りのおしぼりに鎮まるのだから、そういうことだろう。

なんて神妙に文章を書いていれば、あとから来たお客さん達も揃ってカモミールミルクを注文している。するとみんな、滅入っているよりは、カモミールミルクが今日は好きなんだろう。

ミルクが暖かく、シナモンロールの塩とスパイスが口に染み入る。

食べるとやっぱり元気が出るから、ついコーヒーも追加で注文してしまう。それだけ力が戻ったということ。年始の仕事始めまで、自分の時間をいただこう。基本となる文学の世界へ、暗く、神経質な人間に様変わりして、眉間に皺を寄せたままでも、人を取り戻す食に慰められながら、どうにかこうにかやっていけそうだ。