12月15日(火) 広島市中区本川町にある空鞘公園のベンチに座る。
広島市中区本川町にある空鞘公園のベンチに座る。
「最近ベンチに座る機会がないなぁ」と思っていたら、演劇、落語の中止に続いて音楽の公演も休まざろうえない状況となり、ベンチに座る時間ができてしまった。
ベンチに座る時間があるということは、まわりにとって好ましくない環境にあることを意味する。再びこの生活スタイルに戻り、外の出来事を追いかけ回るよりも、自分の身辺に目を向けて基本に戻ることとなる。
さっそく仕事後にベンチへ座ることを考えていると、今朝からきつい寒さで、とても青い空から風花が飛んでくる。これは致命的な寒さだ。
人の三倍は寒がりな自分にとって、この夜寒の中でわざわざベンチに座って文章を書くのは、酔狂でしかない。今も夜のベンチにときおり幻覚のような雪片が落ちてきて、秒刻みで指の動きは悪くなってくる。
今年の最後にでも振り返るべくベンチを狙っていたが、そうもいかない世の中になってしまった。厚着して犬の散歩をする人を横目に、今週から今年初めて職場でマスクを着け始めた顔面は、鼻息が荒く目は曇りがちだ。
「マスクは暖かいなぁ」と、乾燥から逃げる別の利点に考慮されて口元は隠されている。静かに時を過ごさないといけない時勢で、この価値観の変わったマスクで考え事でもしようと思った今日この頃だが、それにしても寒い。この時期にベンチに座る行為こそ、考えものだ。
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