9月13日(日) 広島市中区八丁堀にあるレストラン「Cusco Cafe」で今日の日替わりお魚ランチを食べる。

広島市中区八丁堀にあるレストラン「Cusco Cafe」で今日の日替わりお魚ランチを食べる。


いつもと異なる動線で動く予定なので、途中にあった「Cusco Cafe」で昼をとる。


以前、セビチェを食べたくてペルー料理を広島市内で探していたらこの店が見つかり、気になっていたものの入らずじまいだった。


店内は広く、渋い色の木材による方形のバーカウンターが店の雰囲気に異国の格調を据えていて、水の流れそうな石材による岩場の模倣には猛禽も羽を広げているが、色紙を抱えるスライリーが異質を放っている。籐椅子も含めて南国の落ち着きでくつろげる造作となっている。


魚料理のランチを注文して、バーカウンターに並ぶドリンク類から水を選ぶ。ホットコーヒーもあり、プラス250円でケーキも付けられるので、食後の一息もここでまかなうことができる。


キャベツの甘みがうっすらするコンソメスープをすぐに飲み干し、オレンジ色のドレッシングのたっぷりかかったサラダを食べ終わる頃にライスと魚が運ばれてくる。ライスは不思議なもので、皿に盛られると性格を変えるらしく、普段飲食店で口にする米より香りがあるように思えた。ジャスミンライスとは違い、異国の雑味と受け止められそうな風味で、錯覚かもしれないが、やけにおいしく感じられた。オレガノに引き締められたトマトソースにからむナスに味が染み込んでいて、白身の魚は一瞬チキンと勘違いするように脂と水気なく、フリットされたような表面はトマトソースとからまり、フィッシュアンドチップスで食べるような肉質を持った味わいとなっていた。食後のケーキはカカオのスポンジケーキがふっくらしており、下部はしっとりしていて、くどくなくさらっと食べることができる。


ペルーへ行ったのにクスコに行かなかった。京都へ行って、タキイに行かなかった、そんなコマーシャルを思い出すこんな文句は、一種の変わり者のような勲章として成り立つかもしれない。そんなことを思い出す店名は、ある旅人が長く滞在してしまったという話も聞いたので、きっと魅力のある街なのだろう。


セビチェは食べなかったが、どことなく懐かしむことのできたのは、インディヘナよりも男前の店員さんの、イタリア映画に登場しそうなオールバックに異国情緒があったからだろうか。


値段を考えると店の雰囲気がとてもよく、料理も親しみやすい。長くありそうで、この先もあるであろう良い店だ。

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