9月13日(土) 広島市中区上八丁堀にあるギャラリーGで「Monique Orsini モニック オルシニ Souffles de Vie 生命の息吹」を観る。

広島市中区上八丁堀にあるギャラリーGで「Monique Orsini モニック オルシニ Souffles de Vie 生命の息吹」を観る。


ここはお立ち寄りの投稿に何度も反応しては、行こう行こうと思っていかず、やっとこさっとこ訪れた。


ギャラリー内の空間が第一に良く、大きく占めるガラス窓の採光性の高さは外観からも知れたもので、高い天井の開放感も含めて威力のある作品を展示するのに優れている。


初めて入ってみると、中にいる方がとても親しみやすい方で、敷居の高さをずっと感じていた分だけ、意外なほど気さくに作品について会話をすることができた。


モニク・オルシニさんというすでに高齢になられた方の作品は、作風がいくつか分かれていた。極太の筆による筆跡のまるまる残る作品にはエネルギーが溢れていて、音楽と同調するリズムも持ち、細川俊夫さんの音楽の特徴であるカリグラフィーの要素をまざまざに感じた。


スプレーを吹いたような作品には鉱物の結晶や原生動物の胞子のような形態があり、白く着いた顔料の命を持って発酵したような広がりもあり、ピータンに走るような亀裂もあり、厚みを持った塗りだけでなく、綺麗な色彩と黒との組み合わせに違った表情の奥行きを感じられた。


2階にあった大きな黒の作品には、単色が生み出す造形の力強さがあり、気迫を持った筆遣いによって画面に立体的な有機物を感じるほどで、丸木位里の墨の色を思い出したように、黒は何よりも雄弁に魂を吹き込む力があるようだ。


大きなミュージアムで鑑賞される質を持った作品ばかりで、このギャラリーだからこそ披露できるのだと空間の持つ意味を考えさせられた。購入するには相応の環境が必要となるが、目の保養として鑑賞するにはこれほどよい機会もないのだろう。いまさらながら、このギャラリーに足を伸ばさずに見過ごしてきた作品を連想すると、悔やむ気持ちが出てくるので、休日の動線を変えて今後も気にしていこう。

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