8月15日(土) 広島市中区立町にある定食店「etone」でサンマのかば焼風ランチを食べる。

広島市中区立町にある定食店「etone」でサンマのかば焼風ランチを食べる。


おいしい店と前から聞いていたが、場所がわからずに来れてなかった。


「にんにくやマナオ」の並びにあるという目印をたよりに階段をあがると、待つことなく入れた。


近頃は不漁の続いているというサンマのかば焼風ランチを注文する。ニスの塗られていない素地の暖かいテーブルに肘を着いて、空の青さが映っているような白塗りの壁を見て待つ。


味噌汁は「小春カフェ」を思い出す甘みと旨みで、キャベツやエノキダケが似た味わいを作っているのだろう。暑い日ではあっても、映画館はとても寒く、冷えきった体を温めてくれる。片栗粉でぱりっと覆われたサンマはさくっという食感がとてもよく、脂っぽくない血肉らしい味わいにうまみが凝縮されていて、甘辛いタレの重たさがちょうどよい。カレー粉で味付けされたマカロニの香りづけはやさしく、半熟卵は黄身がとろっと濃く、そのままの甘さがほくっとしたカボチャや油の染みるナスのつゆの味もよい。そして野菜の種類はわからないが、一噛みするとこりっと割れて粒々とした食感の黄色い瓜らしきものが新鮮な味わいだった。


こうなるとデザートも欲しくなり、パンナコッタを食べれば、甘みと酸味の優れた見本のマンゴーソースに夏が吹き出し、細かいピスタチオに好みを癒され、真っ白に甘いパンナコッタに頭の端にマンガのふきだしが浮かれて、おいしいという言葉とびっくりする大きな記号がのぼるようだった。


噂通りにおいしく、「小春カフェ」同様に隅々まで料理するとてもいい店だった。

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