7月12日(日) 広島市中区本通にある韓国料理店「韓国家庭料理 味家」でチャプチェ定食を食べる。

広島市中区本通にある韓国料理店「韓国家庭料理 味家」でチャプチェ定食を食べる。


オムニ、昨日ポン・ジュノ監督の映画を観てから、本通の裏を歩いていて韓国家庭料理店を見つけた。入り口に定食の看板がなければ決して気づくことはなかっただろう、雑居ビルの3Fにあるらしい。ラーメンを食べたあとだったので、後日にする。


というわけで、オムニ映画の内容が失われないうちにやってきた。カウンター数席とテーブル席のある広くない店で、マッコリやチャミスルがカウンターに並ぶ雰囲気は、夜に飲んで楽しむ距離の近い店なのだろう。


誰もいないので、一人韓国ドラマらしき音声を耳にしながら食事する。時折、アボジ、も聞こえる。


あまり量は多くなく、ちょっと物足りないが、韓国料理店らしい味わいはある。冷たい飲み物は高麗人参らしき味がするので、昨日の映画で息子に鶏の骨からはいで皿に身肉をのせるシーンが浮かぶ。ポン・ジュノ監督の映画には食卓を囲むシーンがあり、“おうちで戯曲”を読んでいた時も、鄭義信さんの作品にやはり重要な要素として食があった。


チャプチェの麺は昔食べたことがあるものよりも太く、味付けはタレで染まっていた。スープは干し鱈があり、塩気のやや強い味だ。きゅうりのキムチの辛みと臭みは家庭らしい濃い漬かり加減で、もやしは小海老の旨味がついて、ひげはとってある。


韓国は血が熱い気がする。それは家族の結びつきの強さと、しっかり食べて生きる真面目な力強さだろうか。眉間に皺をよせる女性の仕草は可愛らしく、ふてくされたように語尾をのばす発音も感じが良い。そして男の肉体は大きくてたくましい。


ちょっと荒々しいくらいが男も女も格好いいのだ。まさにオムニらしい店で食べながら、軟弱な心身の自分と思い比べる。

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