4月29日(水) 広島市西区己斐本町にあるタルト店「ル・トレフル」で焼き菓子を買う。
広島市西区己斐本町にあるタルト店「ル・トレフル」で焼き菓子を買う。
己斐あたりでぶらぶらしながら夕方まで家に帰らないつもりでいたら、駅の近くでカヌレを販売している店を見つけてしまった。カヌレなら保存に気をつけることもないだろうと欲に任せて店内に入ると、おいしそうなタルトがショーケース内で輪になっている。買わないという判断はとてもできないので、少し迷ってから選び、3時間くらい家に戻らないと伝えて、保冷剤を3個つけてもらう。
旭山神社に少し居てから、ボカディージョの配達へと急に気が変わり、結局1時間ほどで家に戻った。夜に食べようと思っていたが、昼にすべて食べてしまう。
洋梨のタルトは果物の自然な風味というよりも、糖化された蜜の甘みが高いコンポートとなり、サブレ生地も整然とした味になっているタルトらしいタルトだ。ナッツは塩気がまず口に触ってから種々の味わいが噛むごとに混ざり合う。森を歩くような香ばしい味だが、ピスタチオもあるから実際はそうでないにしても、木の実ということでそのように思うのだろう。生地もバターが効いていて、全体として他に食べたことのない初めての味わいだった。
カヌレは少し前に買ったものよりも外側の風味が香ばしく、バニラも一段と味わい深かった。特に底部はビスケットのようにかりかりっとした食感もあり、キャラメルの焦げがやや強いように思われたが、「これがカヌレよ」という一言に納得して、やはり大量生産ではない手作りの味は型にはまるだけでない鮮明な風味がある。マドレーヌも久しぶりに食べて、まず唾液が吸収される。どことなく古風なこの味はおさえがきいていて、紅茶に浸して記憶帰りするように、水分を多く吸収するこまやかな生地に派手にならない上品な味がある。
価格は手ごろで、正当な味をそのまま味わえるとても良い店だったから、やはり近くにあればと思ってしまう。
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