3月25日(水) 広島市中区榎町にある菓子店「コナサン」での「Himmeli Lanka」さんの小鹿田焼販売会で豆皿を買う。

広島市中区榎町にある菓子店「コナサン」での「Himmeli Lanka」さんの小鹿田焼販売会で豆皿を買う。


一昨年前、カフェで相席した方から小鹿田焼について話をもらったことがあった。大分県にあるが足を運ぶのに近くなく、一子相伝で特徴のある装飾が昔から焼かれているという話だった。


いつになるか、外からの影響ではなく自身の生活環境によって旅行は余程のことがない限りしないので、小鹿田焼の窯を訪れることはない。そんな遠く珍しく思える場所のやきものがコナサンで販売されるというので、楽しみに待ち、昼休憩を使って訪れることにした。


弁当を買って時間に追われ、階段も駆け足であがるようなエンジンのかかった状態なので、のんびりした店内の雰囲気をやや崩すようだった。見つけた餌にすぐ食いつくように器をさわり、見渡せば、目当てのぐい呑はない。訊ねたところ、女性客が多いのでボウルや皿を揃えたとのことで、いまさら、焼き菓子店でぐい呑を欲するという、ある種の暴挙を自分に知った。


それでも普段から使える小皿に目をつけて、1枚残っていた豆皿を購入する。少し大きい平皿やボウルは使う機会が少なく、ちょっとしたアテを置くのにこの皿は役に立ちそうだった。やはり日頃から使ってこそやきものが知れるもので、購入した時は良いと思ったのに、使えば使うほど味気なく思える物があるから不思議だ。


飛び鉋と刷毛目の装飾技法が伝統と話を聞き、釉薬のかかっていない高台を観ると、備前焼きのような硬質で頑丈な肌合いだった。何を急いでだろうか、お客さんは他におらず、いくらでも質問できる余裕があるにもかかわらず、テレビや映画、もしくはマンガなどで知るホステスの体をべたべた触るサラリーマンのように器の肌を手でなめてから、せっかく「コナサン」に来たので、クラフティは売り切れだったから、りんごと焼き芋のタルトを買っていそいそと店をあとにした。


相性を言えば、「Himmeli Lanka」さんの販売会で買った皿に「コナサン」のタルトをのせるのがちょうどよいのだろうが、いかんせん豆皿を買ってしまった。それでもどうにかのせて、結局タルトを手でつかんで食べる始末だ。


現地に行けばやはりぐい呑はあるらしいので、いつか行った時に買うということで、それまでは豆皿で待つことにしよう。

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