3月7日(土) 広島市中区本川町にある鉄板焼店「鉄華」でお好み焼きを食べる。

広島市中区本川町にある鉄板焼店「鉄華」でお好み焼きを食べる。


雨の降り始める前に外を歩いていると、海外からのゲストが泊まりに来ていた時に大概一緒に食べに行っていたお好み焼き屋の前に、店の大将が何かを予期するか待ち受けるかのように立っていた。生活スタイルが変わり、知り合いを除いてゲストが泊まりに来ることはもうなかったので、1年以上その店で食べていない。


雨の降り始めた午後に、夕飯は何にしようか考えていると、ふとお好み焼きを食べたくなった。ユアーズに売られているできあいの物はけっこう食べているが、店での作りたては半年以上記憶にない。


予定はなくなったので家に一日中いたが、一日のうちに一度も外出しないことは耐え難く、昼と夜の最低2回は30分以上外にいたくなる。スニーカーを一足しか持っていないので、8年近く前に買ったその靴は穴が空いているわけでもないのに濡れた路面を歩くだけで浸潤してくるから、足の濡れるのは極力避けたい。こんな雨模様を歩きたくなかったが、長靴を履いて出ることにする。あとあと乾かすのがすこし億劫でも。


以前も雨だったか、時間のあまりない時に入った鉄板焼店を思いだし、すぐにできあがりそうにないのを見計らって苛立ちながら出たことがあった。急いでいる時にお好み焼きを選ぶ方が間違っているのに、他人の責任にしてしまった。


なんとなくその店に入ってみると、夜というには早い時間帯か、雨か、それともニュースの影響か、客は誰もいなかった。急ぐ必要のない時こそ、お好み焼きは早く出てくるのか。


半熟の卵がとろっとしていて、酸味と甘みのどこか懐かしいソースを味わいつつ、ユアーズとはとうぜん異なるふんわりしたお好み焼きを食べる。久しぶりなのでつい食べ始める時に割り箸を割ってしまったが、使わずに鉄の平で食べる。麺はやきそばのような麺だ。


端のカウンターに座り、雨の外を見たり、鉄板を眺めたりしながら食べる。蕎麦と柑橘2個だけの今日はとにかく腹の吸収が良いので、ビールは頼まずに水だけを合わせる。


RCCのラジオではお好み焼きにまつわる思い出が流れるので、いつか投稿してみようかと思いもしないことを思ってしまう。それだけ頭に余裕があり、目の疲れた日なのだろう。


帰り際の店主さんが親切だったので、今日は良い気分で店を出ることができた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る