2月11日(火) 広島市南区的場町にあるカフェ「Cafe あかいはりねずみ」で2種類の焼きたてレバーケーゼを食べる。

広島市南区的場町にあるカフェ「Cafe あかいはりねずみ」で2種類の焼きたてレバーケーゼを食べる。


この店のメニューに欠かせないソーセージを提供している「グリュックスシュバイン」さんの焼きたてレバーケーゼを食べられる機会があるというので参加する。種類は2つで、フライシュケーゼと呼ばれる具の入っていないものと、ピッツァケーゼというチーズやパプリカ、ベーコンなどの入った彩りのある味のものだ。


新年にあった「ブーランジュリ シェ ジョルジュ」さんのガレット・デ・ロワを食べるイベント同様に、テーブルを囲むお客さん達で食パン型の肉を切り分けることになり、白い骨でも刺してかぶりつきたくなるほどプルプルする肉の前にいた自分がその係となった。前の時間の班では3等分にしてから、さらに3等分するという割り算でさばいたというので、食パンみたいに切ればいいだろうと3等分するが、引き算でついものを考えてしまい、これを半分にすればいいのかと思うも、どうも計算方法そのものが違う気がするので、周りの方に確認して間違いを理解する。わかった返事をして、わかっていない見本のようだ。


なんとか無事に切り分けることができて、いざ食べてみると、長いナイフを入れたときから感じていた魅力的に柔らかい肉厚が口に入り、すっきりした味と食感がした。こんにゃくやはんぺんと似たような身の重力への任せ方で、これが焼きたての味わいだろうかと考える。違うかもしれないが。


パンと似たように考えると、味はまだ宙を飛んでいて落ち着きはないのかもしれないが、透明感のある均一の旨みがピュアで、豊かに膨らみ、ピッツァケーゼは各具材の風味が輪郭を持って感じられて雑然とせずに味わえる。濁りと無駄のない、格調の高い美味しい料理の基本がある。


これらは豚の肉と牛の肉が合わせられているらしく、豚だけならばもっとあっさりした味らしく、牛を少し入れることでコクが増しているらしい。そういわれるとそう思ってしまうにしても、これでもすっきりしているくらいだから、味の感じ方がそもそも肉の旨みに焦点を当ててのあっさりで、雑味の話はとうに過ぎて含まれていない。自分の位置が後方にあるので、良い経験と味わいを食べさせてもらった。


最近になってこの店のイベントに参加する機会は増えたが、それに比例して顔見知りの人もできて楽しく話をする時間を持つことができるようになった。家に帰って話しをして、もし店がなかったら、このイベントで食卓を囲んだ人達と知り合うことがなかったのだと、改めて店の意義を感じることになった。


昔、友達とのイベントの最中で話した事が、場を作るということで、何もない場所に空間を打ち立てることは、どんな些細なことであっても各人にはとても意味がある。最近呼んだ有名な本の影響だろう、時間だけがあっても、空間がなければ物と物の因果性は存在しない。


2種類の作りたての味を食べ比べて、昔と異なる今という過ぎていく関係性を省みた。

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