9月28日(土) 広島市西区横川町にあるラーメン屋「味億」でラーメンを食べる。
広島市西区横川町にあるラーメン屋「味億」でラーメンを食べる。
わりと近所にあるけれどあまり行かないのは、自転車がそちらの方向へそれほど行かないからだろう。この店が相生橋の通り沿いにあり、営業時間が長ければ頻繁に出入りしただろうに、昼の営業だけというのが、「寿楽亭」のラーメンのような遠い位置にしてしまうのか。
腹が空いたまま西区民文化センターへ行く途中に目にして、人も並んでいなかったので、久しぶりに入ることにした。
尾道ラーメンは、初めて尾道で連れて行ってもらった店がとても美味しかったのを覚えている。広島市内で尾道ラーメンと名のついた麺を食べると、必ず尾道で食べた麺を思い出す。背脂の存在は覚えているが、どんな味だったかよく覚えていないくせに、匹敵しない。
背脂の浮いたスープをすすると、甘い醤油の味が綺麗にあった。こんなにすっきりしていたのか。スープが濁っていないから、醤油がこうして鋭利な味で残っているのだろう。麺はやや平べったく、その食感が柔らかくて、あまり経験のない舌触りだった。チャーシューが薄っぺらく、脂が少なく、だからこそ少しぱさついた肉の味があり、スープと一緒に噛むと味わいが広がっていく。まるで煎餅みたいだ。醤油が辛くてスープは飲み干せないかと思ったら、気づけばすぐに飲み込んでいた。全体として澄んだ味となっているから、背脂の味が活きるのだろう。
「寿楽亭」同様に、単に美味しいラーメンだった。それは独自の味わいに完成されていて、古臭くならない、文句ない風情が生きていた。
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