音楽、映画、美術、舞台、食事、文学、観光についての体験感想文集
9月14日(土) 広島市中区加古町にあるJMSアステールプラザ中ホールで「コンドルズ日本縦断新元号ツアー2019『Don't stop me now』」を観る。
9月14日(土) 広島市中区加古町にあるJMSアステールプラザ中ホールで「コンドルズ日本縦断新元号ツアー2019『Don't stop me now』」を観る。
広島市中区加古町にあるJMSアステールプラザ中ホールで「コンドルズ日本縦断新元号ツアー2019『Don't stop me now』」を観る。
構成・映像・振付:近藤良平
出演:石渕聡、オクダサトシ、勝山康晴、香取直登、鎌倉道彦、ぎたろー、古賀剛、小林顕作(声の出演)、ジントク、スズキ拓朗、田中たつろう、橋爪利博、平原慎太郎(映像出演)、藤田善宏、安田有吾、山本光二郎、近藤良平
ACDC(アステールプラザコンテンポラリーダンスカンパニー)でその人物を知った近藤良平さん率いるコンドルズは、去年も気になったが行かず、今年は足を運ぶことにした。今回で15回目と言っていたので、知っている人にとっては馴染み深いのだろう。
緊張を強いられずに舞台を笑っていられるのは、ヨーロッパ企画と共通する娯楽性があり、踊りだけでなく、人形劇やコント、大喜利まであった。それらが個性の立った人達で演じられていて、とてもおかしくてたまらなかった。初めて観るから公演内容に最初は戸惑うも、これはこれであることを知れると、映像も含めた全体を観るのがコンドルズなのだと、堅苦しく思ってしまった。
息詰まるような攻防ではなく、両手足を広げて優雅に、軽やかに舞われる楽しい踊りが多く、やや音響は大きく感じたが、ACDCでも聴ける多彩な曲と幅広いジャンルの踊りで飽きさせない。それが強面の男や、大柄で、肉厚のある中年男性が踊るのだから、そのギャップがたまらなく良い味を出している。その人達が慣れた仕草で大喜利をするのだから、これは落語を観るように構わずに笑って良いのだと、雨の中で小便を漏らすような弛緩でリラックスした。
江頭2:50さんに大笑いするキワモノ好きの自分にとって、股引の衣装でのぶるぶる震える踊りを観ては、支払った金額はすでに取り返すことができたと頭の中で握りこぶしを締め、舞台後方から客席に一直線に届く照明に、笑いへと変換された神々しさを拝みたくなるほどだった。
細身の若い二人は華麗で、スキンヘッドの恐ろしい顔と白髪白髭の大柄の二人は手足が長く優雅で、後方のでっぷりした3人の息のあがった踊りに安らぎを感じた。
褌のソロ、ビートの早い全体の揃った踊り、Basement Jaxxの「Take Me Back to Your House」のPVでの戦車が突入する前のような飛び交う踊り、生演奏の小鳥の笛の微笑ましい巧みさなど、バラエティに富んだ要素で2時間通される中で、特に印象に残ったのが2つあり、パンツの食い込んだデニムベストの出立ちでの協奏的な踊りで、自分の列の女性達は笑いが止まらずに狂乱しており、また反対側は反応が薄くもあった。それも納得の踊りで、気品と美が尻に詰まった肉の動きが悠然としていて、フラフープが煙になり、小洒落た仕草に感応して上を飛び、地を走り、見開かれた目と表情が、長い月日に浮かんできそうなプロマイドを観客に焼き付ける。素晴らしい出来栄えだった。
もう一つが、ピラミッドの照明の中で一人踊る近藤さんで、これは芸術性の高い幻惑的な視覚効果に、強い情感を持った感動的なシーンだった。娯楽要素の中に、こういう一瞬を含ませるからこそ、幅広い階層を楽しませることができるのだろう。
公演後は、生真面目と真逆の位置にいて、スタンディングの観客を前に、出演者の一人一人が晴れ晴れとした表情を見せていたのが印象的だった。ああいう顔は日常では見られず、人々を幸せにする効果がある。
ACDC(アステールプラザコンテンポラリーダンスカンパニー)の本丸を見た気分で、踊りは楽しいという、何にも増して好ましい形に、親と子の姿が浮かんでいた。
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