9月1日(日) 広島市中区広瀬町にある四川料理「菜心」で夕飯を食べる。

広島市中区広瀬町にある四川料理「菜心」で夕飯を食べる。


東区民文化センターの帰りに妻の店へ寄り、そのまま一緒に夕飯をとることにする。近くの焼き肉屋はどうかと訊くと、そういう気分ではないという。広電に乗って十日市町へ向かい、ならば中華料理ということですんなり決まった。明日から北海道へ行くというので、向こうで腹一杯美味しい食べ物をとれるように、出発前夜に辛味で食欲を覚ましておかないといけない。近頃は食欲が細かったので、急にたくさん食べ物を入れて驚かないように準備しないといけない。


「菜心」に着くと、料理は気分で決まることを前に見る。俄然食欲は多弁になり、好きに選んでと注文は任せて、頼みすぎないことだけを注意する。油林鶏に、麻辣香鍋、酢辣湯麺とうまく決まる。


日常の時間は合わず、一緒に食事するのも多くはないので、こうやって夕飯に来ると旅行を思い出す。一人で食べる中華も記憶にあるが、見知らぬ次の街への三日間の移動で、たまたま一緒になった全く会話の通じない中国人3人と夕飯を囲んだ記憶が蘇る。いつでもそう、くどいぐらいに、中華は皆で食べてこそ中華だと。


のんびりではなく、がつがつと運ばれてくる料理を平らげるので、皿の上に無くなる頃に、次のが運ばれてくる。野菜にまとわれた身の大きな鶏肉を食べ、花椒と辛みで絶妙に引き出された海老にむしゃぶりつき、とろみのある麺を次々に吸い込む。


完食して2分も経たずに席を立つ。まるで定食屋で食事を終えたような感じだ。


北海道を理由に自分も美味しい食事をとりたかっただけだろう、何かにかこつけての酒のように。まだ見たことのない北海道がうらやましいので、とにかくやきとりを食べてきてと念を押しておく。おそらく、食べてこないだろうが。

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