4月14日(日) 広島市中区基町にある広島市映像文化ライブラリーで野村芳太郎監督の「配達されない三通の手紙」を観る。
広島市中区基町にある広島市映像文化ライブラリーで野村芳太郎監督の「配達されない三通の手紙」を観る。
1979年(昭和54年) 松竹 131分 カラー 35mm
監督:野村芳太郎
出演:栗原小巻、片岡孝夫、松坂慶子、佐分利信
大雑把に分けるなら、この映画は純文学ではなく、ミステリー小説になる。昨日観た「事件」よりもさらに松坂慶子さんが不自然で、あからまな異分子として存在し、観ていて不愉快になるほどに場違いの振る舞いを続ける。
片岡孝夫さんも、昨日観た男の主人公同様に、煮えきらず、度胸がないくせに女癖があまり良くなく、だらしないというよりも、情けない男を演じている。
野村芳太郎監督の映画は、女性のほうが強い立場で描かれている印象がある。強いのだが、やはり男がいないと生きていけない弱さを婀娜っぽくも、また健気にも、異なった性格の登場人物で描かれている。
登場人物は少なからず登場して、なにか重要な役目となりそうな思わせぶりな演技をするも、それほど意味はなく、また後半に登場する妹の存在も、説明は少なく、またそんな必要はないのかもしれないが、唐突に登場して去っていくような印象を受ける。
もっとも着目したのは、栗原小巻さんで、次の市民劇場の例会で松井須磨子を一人芝居で演じる予定なのだが、こんなに綺麗で、演技の上手な人が広島に、市民劇場の舞台で来るのが信じられない。
この映画でも、薄幸な雰囲気で、心は弱そうだが、裏に思いつめた強さがあり、それが復讐となってほとばしり事件を起こすのだが、演技そのものは、昨日観た大竹しのぶさんとはまた違う、たしかな実力がある。
今日の映画の目的は、いわば栗原小巻さんを観ることにあり、6月に劇場で観る時の期待を持たせる輝かしい布石となった。事前交流会で来るなら、必ず出席しよう。
ちなみに、11月には無名塾で仲代達矢さんが来て、モリエールの「タルチュフ」を演じる。これもまた信じられない。
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