1月31日(木) 広島市中区加古町にある広島文化学園HBGホールで「民音タンゴシリーズ50th ドラマチックタンゴ 偉大なる歴史」を観る。

広島市中区加古町にある広島文化学園HBGホールで「民音タンゴシリーズ50th ドラマチックタンゴ 偉大なる歴史」を観る。


1月にピアソラの映画を観たのは、この日の公演も期待してのことだった。ピアソラが好きなら、実際に生のタンゴを観てみようとこの公演に行った。グルジアのルスタビを招聘した民音主催の公演だから、その内容は悪くないだろうとふんでだ。


奇しくも、ルスタビ公演とまったく同じ席で、ダンサーの息遣いも感じられるほどの距離だった。この日は民音とアルゼンチンタンゴのつながりを振り返る意味での公演で、プログラムの内容もそういった意味合いが強かった。


しかし、50回目の公演が自分にとって初めての生で観るタンゴとなり、予備知識が乏しい自分にはピアソラ以外の作曲家は知らないので、歴史の重さを感じづらかった。


そんなことを抜きに、タンゴの踊りと、生の演奏はとても刺激的な経験となった。クラシックなタンゴの踊り、曲の違いはなんとなくでしかわからないが、タンゴの持つ雰囲気だけで、自分はやはりタンゴを好む性質にあるのだと自覚できた。


グルジアのルスタビと同様に、非常に質の高い内容だった。踊りの脚さばき、振る舞い、表情、どれもが気品に溢れている。生の蛇腹の躍動感も、それは身震いするほどの光景だった。本物だった。


帰りに、ふと、観客の感じが気になった。市民劇場の劇に来るような客層を感じ、また、曲のなかで、池田博士に向けての曲が演奏されていて、予測を立てていた。


家に帰って調べれば、民音は創価学会の関係があったと初めて知った。民音、すなわち民主音楽協会というのが名称で、自分は勝手に、民族音楽に関係する団体の略称で、民音だと思っていた……、ルスタビを呼んでいたし。


宗教団体への何を根拠にしたかわからない偏見は抜きにして、ルスタビや、今回のフェルナンド・マルサン・セステートを呼んでいる事実は、素晴らしい文化活動だと思う。これだけの力は他の団体にはなかなかないだろう。


まあとにかく、こんな公演をもっと観たいから、どんどん企画して広島に来てほしい。

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