12月16日(日) 広島市中区基町にあるひろしま美術館で「ブリヂストン美術館展」を観た。
広島市中区基町にあるひろしま美術館で「ブリヂストン美術館展」を観た。
今日が特別展の最終日だ。映画を観たついでに、1時間くらいあったので寄ってみた。
多くの時間をピカソの腕を組んですわるサルタンバンクに費やしたが、前回よりも気になる作品がいくつかあった。
ルノワールの少女は、前回来た時はなかった。紙にパステルで、他のルノワールの油彩画の作品よりもずっと良かった。ブルーの虹彩の女性は、冷たい眼差しを湛えたまま、口元が開いて和らいでいるようで、見透かすようだ。ふくよかでない、ルノワールらしくない女性に、パステルのブルーからパープルの色合いが、まるでファム・ファタルの性質で虜にするよう。
マティスの縞ジャケットは、余白が洒脱だ。土星のような円環の青いハットが濃く、あとはさっと吹き流すようで、颯爽とした雰囲気を感じられる。
ドニのバッカス祭は、前回来た時は色彩がごてごてしてあまり好ましく思わなかったが、今日観ると、思った以上の作品で、ナビ派でも、エドゥアール・ヴュイヤールは大好きだが、ドニが特別良いと思ったことはなかった。ヴュイヤールのような装飾美ではなく、色彩と輪郭ははっきりしていて、それがこの古代の題材を、フランスらしい華やかなニュアンスで描かれている。閉館間近、部屋には自分以外に客はおらず、腰掛けたまま眺めていると、ラヴェルの「ダフニスとクロエ」のような印象を受ける。見ごたえがある。
とはいっても、やっぱりピカソの腕を組んですわるサルタンバンクが特別だ。ルオーのピエロの瞑想的な表情も良いが、永遠に刻まれたような自信ある面構えがとても良い。
ふと思い出すのは、ミーハーとして好きな闘牛士のセバスティアン・カステージャの顔だ。ふてぶてしいわけではないが、ナルシストな表情を見せる時もある。
女性の顔もいいが、男性の顔もいいものだ。
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