12月9日(日) 広島市西区草津新町にある「ナプル」でランチを食べた。

広島市西区草津新町にある「ナプル」でランチを食べた。


109シネマズ広島の帰りに食べようと思っていたこの店は(映画館から歩いて1分の場所にある)、1度目は臨時休業、2度目は生地が売り切れ、3度目の今日はすんなり入れた。寒く、空もそんなに晴れていないから、人の動きも少ないのだろうか。


マルゲリータに赤ワイン、それにアフォガートを頼む。初めて食べるピザ屋では、まずマルゲリータを食べる。初めて入るお好み焼き屋でイカ天以外のトッピングをしないように(イカ天はトッピングだが、これが入ってのスタンダードだと思っている)、まずマルゲリータで店を知る(うどん屋や蕎麦屋でも同様だが)。


最近食べた店に比べると、トマトソースに粒が入り、味はいくぶん控えめで、大笑いしている芳醇な甘さまではいかない。チーズの食感はしっかりあり、ミルキーな風味は落ち着いている。生地は塩っ気がやや強く、外側よりなかの生地は薄めで、ほがらかに発散するほどの香りではない。これはおいしいマルゲリータの細かな味の違いであって、店の特色であり、笑顔を浮かべて満足できる味だ。カットされていないから、ナイフとフォークで食べるよりも、そのまま両手に持って思い切りかぶりつきたくなる欲求をこの赤い円盤はもたらしてくる。“太陽にくらえ”、そんなコピーが浮かぶほどだ。


赤ワインは、口あたりはすっと入り、甘く、軽く、新鮮で雑味なく、子供もおいしく飲めるすっきりした味だ。


アフォガートは、バニラアイスが適度な甘さで、濃厚なエスプレッソをかけると、なんて薫り高い組み合わせになるのだろう。最高のコンビの一つだ。


ピサを頼んでから運ばれてくるまでが驚くほど早く、スタッフさんは元気で愛想よく、もちろんお客の細かな動きを常に感知している。


そしてなにより、値段がとても良心的だ。コストを抑えてこの味というのが、いかにお客のためを考えてのことだろう。高くて美味しいのはお客に対しての義務というか、誠実な使命で、高くておいしくないのは詐欺のようなもので、安くてまあまあの味は平凡で、安くて美味しいのがもっとも良心的な店だ。


来年も何度か109シネマズ広島に行くから、そのたびにこの店をまず覗いてみよう。おそらく、混んでいるからなかなか入れないだろうが。

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