8月19日(日) 広島市中区基町にある広島市映像文化ライブラリーでパラジャーノフ監督の「ざくろの色」を観た。
映像文化ライブラリーでパラジャーノフ監督の「ざくろの色」を観た。
ただただ、静かで、美しい夢を観て陶酔しているだけだった。観ていたのに、内容が虚ろで、定かでない。詩人の一生は、説明がほとんどあらず、酒か、何かの煙に酔い、大きな棕櫚の葉で扇がれて、目をとろんとさせて、透ける薄い乳白色の布地に覆われて、酩酊したまま漂うようだ。釣り長い目に、何かに捧げきった凍りついた表情に、笑いに美はあるのかと問わせる。アルメニア、ペルシャ、アラビア、千夜一夜、ターコイズ色したモザイク模様のモスクが、荒涼とした大地に建つ重たい原始の正教会が、細いナイフによって四角に切られて赤い汁を垂らす柘榴が、過去の印象を、密やかなリズムで打ち鳴らす。ピタゴラスイッチの空虚に、色気を盛ったようだ。林檎じゃ田舎臭い、柑橘では健康過ぎる、葡萄は良い、柘榴はより怖い。
アルメニアの首都、イェレヴァンの美術館に行った時、子供たちの絵画が特別に展示されていた。その絵のほとんどに、アララト山と、柘榴が描かれていた。
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