8月20日(月) 広島市中区八丁堀にあるサロンシネマでリン・ラムジー監督・脚本の「ビューティフル・デイ」を観た。
サロンシネマでイギリス映画、リン・ラムジー監督・脚本の「ビューティフル・デイ」を観た。
悪夢が出鼻から続く。映像文化ライブラリーで観る古い映画とはまるで異なるカメラワークと画面構成に、過度なエフェクトを感じ、効果の大きさに戸惑いつつも、飲み込まれていく。休むことのない不安は、トンカチに集約された単純かつ破壊的な暴力が遠い画面で無慈悲に打ち付けられる。残酷な傷口や、死が行く先々に用意されていて、事態が飲み込めずも、冷静というより、子供の時の記憶からのプログラミングによって操られるように動くも、少女に何かを見出したのだろうか、優しい人なのだろう。残酷な人は、ある面で、とても優しいところがある。卑劣な人間は残酷な点も、優しい点もない。あるのは悲惨ともいえる卑劣だけだ。「レオン」とは違う、もっと圧迫感があり、抜け出せず、終わりがない。最初から何もかも崩壊しているようでいて、小さな絆が温もりを持って浮世離れしていた。
ラストシーンが好きだ。とても好ましいと思う。それだけでこの映画が好きになった。たぶん感傷的すぎるし、ありきたりかもしれないけれど、自分にとってのビューティフル・デイは平凡で良いと思う。それは、春は馬車に乗ってと同じ、悲劇に心を凍らせ、感情がままならず、どうも口がうまいことを言えずも、仮初めに言葉を託すような、思いやりに溢れたものだから。
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