7月5日(木) 広島市中区基町にある広島市映像文化ライブラリーでヤン・トロエル監督の「ラスト・センテンス:死者への裁き」を観た。

EUフィルムデーズ2018、スウェーデンの映画、ヤン・トロエル監督の「ラスト・センテンス:死者への裁き」を観た。


第二次大戦中のスウェーデンと、隣国の背景知識がないと物語はつかみにくい。映画のなかで情勢の変化を詳しく説明するわけではないので、場面の端々の言葉からどのように情勢が変化しているのかを感じ取れないと、取り残されてしまう。


昔の映画と違って細かい細部まで見分けられる現在のモノクロ映像は時代性を感じない。少し前にアメリカの古い映画を観ていたので、綺麗に映り過ぎていることに違和感と、まったく違ったモノクロの効果を感じる。


スウェーデンの映画だが、シベリウスの音楽が使われていた。ソ連がフィンランドを侵攻したと知らせる場面では「フィンランディア」のものものしい金管楽器が流れ、とある場面とエンディングロールでは過剰に高まって早くなる「悲しいワルツ」が流れる。


少し前にN響のテレビ放送で、パーヴォ・ヤルヴィがシベリウスの曲を指揮していた。彼はエストニア出身で、フィンランドもエストニアもロシアから圧力を受けてきた歴史がある。そんな彼がシベリウスの曲を理解して指揮できるのはうなずける。


なぜスウェーデンの映画でシベリウスが使われるのだろう。フィンランドを長く支配していたスウェーデンが。シベリウスを調べたら、スウェーデン系のフィンランド人らしい。


これが一番気になった。フィンランドの人はシベリウスの音楽の使われ方をどう思うだろうか。

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