日本の文明は火山国文明

 日本は、火山大国だ。過去に多くの破局的火山噴火に見舞われている。


 破局噴火とは、大量のマグマが一気に噴出する巨大な火山噴火で、火山学ではカルデラ噴火と呼ばれるタイプだ。日本列島の大半が火山灰で埋まるほどの規模で、日本が滅亡の危機に瀕することから「破局噴火」と呼ばれている。


 そのような破局的火山噴火に、日本は何度も晒されている。


日本の破局噴火の歴史を10万年前から記載する


10万年前 - 御嶽山 長野県

9.5万年前 - 鬼界  九州の南海 屋久島などは、その鬼界カルデラの一部

8.8万年前 - 阿蘇 鹿児島湾

4.6万年前 - 支笏 北海道

3.9万年前 - 屈斜路 北海道

3万年前 - 姶良 鹿児島湾北部(湾奥)

7,300年前 - 鬼界 


 逆に氷河期時代、火山の暖かさの恩恵を受けて生活していたともいえる。最終氷期は、約7万年前から始まって1万5千年前に終わっている。1万5千年前と言えば、もう人が地上に存在するので、伝聞が残っている。古事記の振り返ってはいけないという場面など、火砕流の話から想起されたと勝手にこじつけてしまいたくなる。古事記の内容は、イザナミ、イザナギ夫婦の人間関係に焦点を当てたおとぎ話だが。火砕流の生死を分けるぎりぎりのラインでは、振り向いた人間が実際死んでいるからだ。こういうショッキングな伝聞が、古事記に反映されていてもおかしくないと思っている。


 上記の破局噴火の歴史を見ると、巨大火山が九州に二つもあることだ。鬼界と阿曽は、破局噴火を起こす火山だ。逆に、噴火がない時期、まあその方が期間が長いのだが、この辺りは暖かくて住みやすかったと言える。同じように最終氷期の北海道もそうだろう。しかし北海道と九州の火山の決定的に違う点は、日本への影響だ。偏西風の影響で、九州の噴火は、本州全土まで火山灰が降り注ぐ。

 7千3百年まえの鬼界噴火の時は火砕流で九州に住んでいた人は多くの人が壊滅的打撃を受けた。噴火以降100年は人が住めない土地になったそうだ。そして火山灰は青森まで降り注いだ。

 火山灰というのは、風化していないので、とげとげしていて、吸い込むと肺疾患を起こす。だから日本人は、家に火山灰を持ち込まなよう気をつける。日本人が靴を脱いで家に入るのは、この辺りが風習化したのではないだろうか。土足で家に入る外国人と違って、昔の日本人は足を洗って家に入っていた。このとげとげした火山灰を体質的に嫌っている節もある。日本人の多くの人は、とげとげしたスギ花粉にアレルギーを起こす。火山灰のとげとげは命に係わる。花粉症は、この辺りから来たのではないだろうか。


 靴を脱いで家に上がる習慣の話をしたので、もう一つ。日本人がお風呂大好きなのも火山文化からくるものだろう。火山と言えば温泉だ。最終氷期時代の楽しみは温泉。傷や病気の治りも早くなる温泉をこよなく愛していた。お風呂に入ると「あ~日本人だな」と思うのは筆者だけではないと思う。


 火山灰で陸地が不毛だった時でも。※汽水地は、とても豊かな土地だった。稲というのは、汽水地の植物。日本人が米を愛するわけだ。陸地にまで汽水地の環境を作って稲を栽培するほどなのだから万年単位の筋金入りと言える。


※汽水地とは、川と海の接した地域。


 日本人は、多種族に敬意を払う。それは、動物だろうが植物だろうが一緒だ。なぜなら、この火山文明が日本人に根津いたからだと思う。昔温泉では、獣も人間も一緒に入っていたそうだ。そこでは、みんな仲良くしていた。日本人の文化は、そういう所から来ているのだろう。

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NAOKIチャンネル ウーの一族 星村直樹 @tomsa

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