第2話 車内。まさかの急病発生!?
二人の席は、客室内の一番後ろの席だ。
回りは物凄く騒がしいが、まるでこの席だけは回りと比べると葬式のようである。
電車は行き先の名古屋に向かって順調に進み、裕一は車窓と時計ととある紙を照らし合わせていた。
そう、裕一は筋金入りの鉄ヲタである。
「平端、ほぼ定通か」
そんな裕一を、唯は隣で不自然そうに見ていた。
唯は何をしているかと言うと、机を出してずっとお菓子を食べていた。
そろそろ暇になって、電車の連結部に行こうとして席を立った。席は一番後ろだから、連結部のデッキはすぐそばだ。
デッキには、うっすらと人影があった。
(そういや隣の子いなかったな。トイレでも行ってんのかな?)
「えっ辰川さん!?」
人影に近付くと、なんと唯が顔を青くしてしゃがみこんでいた。
「酔ったか?」
唯はこくん、と首を縦にふった。
デッキから自分達の座席を見ると、唯の机にはミルクティが置いてあった。
「取り敢えず喫煙室入ろうか。歩けるか?」
唯は喫煙室と聞いて、首を横にふった。
自分から数メートル離れたところにある、大きな窓の喫煙室をに見ていて、唯は裕一は喫煙室なら窓が大きいから治るだろうと思っていると考えていた。
「大丈夫、この電車はこの前リニューアルされて喫煙室設置されてから、まだ一回も普通の営業列車で走ってないから全然臭くない」
唯を立たすと今にも倒れそうなので、後ろから手を添えて喫煙室に入った。
「何か飲みたい...」
唯がそう言った。
でも、この電車は自販機はついてないので買うことができない。
「これでも良いか?」
ポケットの中から飲みかけの三ツ○サイダーを取り出す。
唯は頷き、蓋を開けてあげる。
「あの......飲ませてほしい......」
困ったな。
ぼっちの俺が、付き合うことになりました。 電子レンジ235 @kintetsu5200
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