第5話 急展開
...はい、拉致られました。ここどこだ?ていうかラブストーリーじゃなくてやっぱり異世界転生?うーわあ、死ぬのかあ。いやまあしょうがないよ?作者の思った通りの世界になるのがこの小説の世界だから。でもさ...さすがに前フリ長えよ!これじゃ読者来ねえよ!何作目なんだよ!学習しろよ!
まずいまずい、愚痴がほんと止まらない。一回落ち着こう。異世界転生だった場合...結果的にアウトだろうな。読者が来なくて作者が書く気が失せて永遠にこのまま...。だから展開は早く...。
落ち着きがまだ足りないな。ちゃんとしよう。
ラブストーリーだった場合...瑠璃がたまたま家に来て、そこからおれ...こいつ...(いやもうなんて呼べばいいんだ!)が、助けるために覚醒して...か。
ベタだがしょうがない。百歩譲ろう。
そうなると...瑠璃が来るのが最善手か。まあ小説ならおれと瑠璃どっちも死ぬってことはないだろう。
そんな風にゆっくり考察を広げていると、ストレートを一発くらった。
おいおい、こいつは最近殴られ過ぎだろ。...いや、おれか。
「やれやれ、まだこいつは気づいてないのか」
え?なんで急にかぎかっこ?いや、そこじゃない。気づいていないって?
「途中までは惜しかったけどな、残念ながらお前はこの世界を見極めきれていない」
急に家に入ってきた男二人組は交互に喋る。
「お前がこの小説の主人公 そう、それはその通りだ」
「ただ、お前はまだ考えが足りなかった」
「この小説は、自分が小説の主人公だと思っている奴の様子を描いた小説だ」
なんだ、それ。複雑だ。それはつまり...、
「思考しか出来ないお前、それがこの小説の主人公だ」
「もっとも、題名のままだよな」
...すごい展開にしてきたもんだ。やれやれ、どんでん返しか。だとしたらちょっとやり方が下手な気がするな。
「とはいえお前はもうおしまいだ この小説はもうちょっとで完結する」
「小説の主人公は、書かれなくなったあとどうなるんだろうなあ
まあ、お前が考えたように異世界にでも行けるといいな」
こういうとき、何と言えばいいか。最後の言葉...。
あ、
最後までお読みいただきありがとうございます。
かな。
小説の主人公なんて最悪だ! 34 @34_
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