第3話 愚痴が止まらない
さてさてさて、すっかり暗くなったので瑠璃も帰路へとつくことになり、帰りたくないと駄々をこねながら帰っていき...、うん、この作者手を抜きやがった。いくらなんでも展開に行き詰まったらすぐ場面転換するのはどうかと思う。もう少し頑張れよ。まさかお前これでラブストーリーなんて言わないよな?
うーん、小説の主人公って結構めんどくさいな。作者の状況がつかめてしまうせいで物語を素直に楽しめない。誰か変わってくれる人はいないだろうか...?今なら彼女もセットだ。なんか怪しい商売のにおいがするけどそこは小説の中の奴が言ったってことで見逃して頂きたい。
...あれ...?話が進まない。早く進めてくれないとおれが玄関のドアの前で立ったままになってるじゃねえか。頼む、せめて中に入れてくれ。幸いにも5月始めだからしばらくは平気だけども。だけども !
おい!頼む!お前が書き進めないとこっちの世界もフリーズするんだよ !
...ようやく、家の中に入れた。そしてベットへ勢いよくダイブした。
自分のことではあるけども、こいつ何がしたいんだ...。高校生として何かしら他にやることあるだろ...おい待て、寝る気か。おい作者、描けないなら無理してラブストーリーなんか書くんじゃねえ!自分の好きなものを描け!すべての影響はおれが被るんだ!
そのまま眠りにつき、このまま朝までぐっすりと...とはいかなかった。
突然、頭のすぐ横、さらに詳しく言うと右耳のすぐそばに置いてあったスマホが着信を知らせてきた。
暗い室内に画面の明かりが灯る。まだ開ききっていないまぶたをこじ開け、通知に表示された名前を見ると、
『瑠璃』
とあった。一気に飛び起きる!
うーん、これで理解してきた。多分これは付き合いたてに近いな。それにしても起きたばっかりでこのテンションまで上げられるとは彼女というものは恐ろしいものだ。
時刻は0時を少し過ぎたくらい。人にもよるが高校生くらいなら起きていてもまあ理解はできる。にしても、この時間からテレビ電話をするとは若いというのは素晴らしいもので...。しかし今日は日曜日だし、明日から学校があるというのにいいんだろうか...。まーた愚痴言ってるよ...。これは長くなりそうだ...。
これは彼女がいるというのは本当に良いことか、ゆっくり検討する必要がある気がする。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます