第19話 訪問と襲来
日も暮れ、辺りが寝静まった頃。
廊下でたたずむ影が一つ。
その影は、その扉の前にいた。三回ノックをする。
「はーい」
すこしだけ扉が開かれる。開けたのは、南雲一樹だった。長ズボンと無地のTシャツを着ており、いつでも寝ることが出来る状態だ。
「すこし話があるのだけど、部屋、いい?」
はぁ、と声を吐き、扉を開ける。
「珍しいですね、あなたから話しかけるなんて」
*
葉山はベッドに腰かけている。
「お久しぶりですね。今回はどういったご用件で?」
一樹が目の前のテーブルにクッキーを置く。
「ちょっと話したくなって」
「はぁ」
「最近、南雲君が前みたいに私のところに来なくなったなって思ってさ、好きな人でもできちゃったのかな?」
葉山は挑発的な笑みを浮かべる。
「あ、いや、そんなことはないですよ。好きな人もいないですし」
「うっそ!てっきり彼女出来たのかと思った!」
葉山は何も言われていないのに勝手にベッドに座る。
葉山の服装は、グレーのタンクトップにデニムのベリーショートパンツ。とても露出の多い格好だ。こんな夜中に、そんな服装で、ましてや、男である南雲一樹の部屋に上がる。とても不用心だ。
「南雲君の部屋はモノとか少ないのね」
葉山が足を組むと、隙間から下着が見えた。南雲はそれを見ると葉山に背を向け、首の裏を掻く。
葉山は音をたてないように立ち上がる。
葉山は気づかれないように南雲に近づく。
南雲は首から手を離す。
露わになった南雲の首は、葉山の鼻の先にある。
葉山は口を大きく開けた。
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