第17話 後悔と嘆き
少し広い通路。
「京也、どうしたんだよ!」
京也はどんどん進んでいく。絨毯が、叩きつけた足を包み込む。
「おい京也!」
京也の表情がどうなっているのか、南雲には分らない。
「くそ!くそ!くそ!」
京也は、足を木製の床が叫ぶぐらい叩きつけ歩く。
京也と南雲は、一つの部屋に向かっていた。京也は一樹が追いつく前に、部屋へ入る。扉に寄りかかり、頭を抱えて座り込んだ。頭を掻きむしる。
「くそ、くそ、なんであいつばっかり……」
*
目の前で閉まった扉の取っ手を握り回す。取っ手は回ったが、扉が重く、開かない。
「なんでだよ……!なんでまた……!」
扉の中から声がする。一樹は扉を押す手を止め、立ち尽くした。
「くそ……くそ……!」
床を殴る音がする。カーペットがあるのか、あまり音が響かない。
「京也……」
一樹の声は廊下に消えてゆくばかり。触れる木製の扉はとても冷たい。
「西川……西川ァ……」
一樹の頭の中では、京也の声だけが響いていた。
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