追う銀貨、つかまえる金貨

おって、おって。

かけてかけて。


この手に掴むは明日への希望。

今より少し、良くなるように

手を伸ばして走る。


おっておって。かけてかけて。


目の前には銀の輝き。

一筋の光明。


息は苦しく、もがく。

それでも生きているから、

生きることをやめられないから。


こんな人生、苛立ちと不甲斐なさが

積もるけど。


しがらみに絡め取られて、走ることも

できなくなる前に。


おっておって、かけてかけて。

走るしかない。


立ち止まらず、進むしかない。


息は苦しく、それでも手を伸ばす。


手を伸ばし銀の輝きを掴んだ時。


まわりの風景が、がらりと変わっていた。


こんなにも遠くまで

追いかけてきてたんだね。


後ろを振り返ると涙がこぼれ。


握りしめた手を開くと

握った銀貨は、金貨に変わっていた。

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