第11話 日常の崩壊
そんなこんなで押し切られ、今に至る。
ちなみに、内緒で出掛けた後、普通にバレて、すっごい怒られた。なんか神父さんの目なんかホントにほの暗くて怖かった。
あれ以来、まじで外出させてくれなくなった。
恨むぞ、ゼパール少年。
それでも、あれ以来、外出させてくれないことを除けば、比較的平穏に暮らせている。
ゼパールと訓練という名のチャンバラをするための偽装を目的とした、シールドをはる魔法も身につけた。
だって平民が貴族相手にチャンバラとか、不敬罪とか言われそうだし。隠すしかないよね!!
正式な魔法の使い方なんて知らないので、体の中で魔力と思わしきものを暇さえあればこねくり回し、魔力制御(?)の訓練をする。
この訓練の賜物か、だいぶイメージする魔法が使えるようになった。
シールドと言っても、物理的防御はまだ出来ず、
ぶっちゃけただの擬態するために周囲に張り巡らす薄膜のようなものだが、シールドと言った方がカッコイイし。
「俺、だいぶ動けるようになっただろ?」
そんな私は今ゼパールのドヤ顔を目の前で拝んでいる。
「凄いと思うよ、確かに上達早いと思う」
「だろ!?俺ってば天才かよ!」
「まぁ、私にはまだ体に掠らせたこともないんやけどね」
「……わかってるよ!」
ゼパールは当初被っていた猫の皮を完璧にかなぐり捨てていた。
あれ?なんか、最初の方、もっと紳士的な喋り方じゃなかったっけ??
本性出てきたの、あの日以来な気がするし、なんか武術使えることがバレて以来、女子扱いされてない感ある。
「でも、ほんとに上手くなったと思うよ。今なら、街の衛兵ぐらいなら全然1人でやれると思う。」
褒めて伸ばす、って大事よね。
そう思いながらゼパールの明るい茶色の頭を「えらい、えらい」と撫でながらそっと微笑んだ。
「子供扱いすんなっ。俺の方が歳上だしっ。」
そんな私を見て、文句を言いつつも大人しく頭を撫でられながら、ぷいっと彼は横を向いた。
なんか、首まで真っ赤になっている。
年下に褒められるの、恥ずかしいのかなと思いつつも、前世の年齢を加算すると20歳超えの私は、つい弟みたいな感じで接してしまう。
ゼパールは今の私より実は2歳も年上なんだけど。
私は今6歳、彼は8歳だ。
微笑ましいなぁ。
より笑みを深めて顔の赤みの増すゼパールの頭を撫でくりまわしていたら、私より年上の孤児院の子が急いで私たちの方へと駆け込んできた。
「……リベラっ。ゼパール様っ。
今すぐ中に戻ってきてっ。大変なことになってる!!」
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