第3話 違和感の理由

そこには、懐かしい顔が合った。

名前はすぐには、出てこない。

でも、面影ある。

だんだんと、思い出して行った。


でも、おかしい。

違和感がある。


笑顔ではある。

でも生気がない・・・


何故だ?


「雄太くんの思っている事は、正解だよ」

ミネちゃんんから、声をかけられる。

ふいに・・・


「今、死んでるみたいだと思ったでしょ?」

「ああ」

「相変わらず、素直だね。その通り、ここにいる子たちは、全員死んでる」

「えっ」

「もちろん、私もね・・・」

いや、それはウソだ。

だって、あの案内の手紙は・・・


「雄太くんは、覚えていると思うけど、君以外の私たちは、全員同じ小学校へと進んだ」

「ああ、覚えているよ」

「もちろん、中学と高校も・・・」

「ああ」

「でも・・・」

寂しい表情を浮かべる、ミネちゃん。


「高校のスキー合宿の時、災害に見舞われたの。

なだれが起きて、私以外はその場で全員、亡くなった・・・」

新聞で見たが、正直他人ごとと気に留めなかったが・・・


まさか・・・


「その日が、3月3日なの。変更したのは、そのため・・・

君とお墓参りに行こうと思ってた・・・でも・・・」

「でも?」

ミネちゃんの、顔はさらに悲しくなる・・・


「あの手紙を出したその日の午後、私も交通事故で、死んじゃった・・・」

「じゃあ」

ミネちゃんは、笑う。


「うん、私も幽霊の仲間入りしちゃった」

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