第2話 違和感

ひなまつりの日に、懐かしい幼稚園に行った。

僕は、引っ越しをしていないので、卒園アルバムを見れば、すぐにわかる。


市内ではあったが、かなり離れていたのでバス通園。

なので、この辺りに来るのは、卒園以来だ。


「変わったな」

その幼稚園は、かなり近代化されていた。


「変わったのは、幼稚園だけじゃないよ」

声がもれたのか、後から声をかけられた。

振り向くと、懐かしい顔がそこにある。


「人も何もかも、変わって行くけどね」

「ミネちゃん?」

どこか面影はある。でも、記憶のなかよりも、ずっと奇麗になっていた。


「久しぶりだね、雄太くん。来てくれてありがとう」

「ああ、連絡ありがとう」

確かにミネちゃん。それは確かだ・・・


当時から仕切りたがりだった。

今回の連絡も、その性格のためだろう。


でも、何だ?

この違和感は・・・


「他のみんなは?」

「いないよ。私と君だけ」

「えっ?」

「なーんてね」

悪戯っぽく笑みを浮かべる、ミネちゃん。


やはり昔のままかと思ったが、すぐに違和感が訪れる。


「こっちだよ」

ミネちゃんに着いていく。


当然、タイムカプセルを埋めた場所だ。

でも、記憶があいまいになっていた・・・

当たり前か・・・


そこまでは、ミネちゃんとの会話は、なかった。

どうも、話しづらかった。


そして、タイムカプセルを埋めたであろう場所についた。

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